今回は、WinJUPOSのDe-rotation機能について、説明します。
ここまで引っ張って言うのもなんですが、この機能を使用すれば、一気に画質が向上すると思っていると、かなりがっかりします。この機能が真価を発揮するのは、シーイングが良好な時の画像だけです。
※ 個人的な意見です。人によっては効果があるかも・・・
ただし、私のように、フィルターワークでL・R・G・B合成をしている方は、必須と言ってもよいでしょう。
さて、前置きは、このくらいにして、本文に入ります。
WinJUPOSのDe-rotationとは、自転に伴う表面模様の移動を計算し、特定時刻の位置までシフトさせる機能です。木星や土星などは自転速度が速いので、撮影して間にどんどん模様は動いていきます。このため、撮影時間を1~2分で制限するのがセオリーなのですが、この制限を無くす方法のとして考案されたのが、この機能です。
自転に伴う模様の移動は計算できるので、撮影時刻の違いでずれ量を計算し、画素をシフトさせて、画像を重ねます。これにより、長時間撮影された個々の画像を、精度よく重ねることができるようになりました。当然、スタック可能なフレーム数が増えるので、ノイズが減少し、強い画像処理が可能になります。
しただけでは、完全に重なりません。
WinJUPOSでは目的に応じて、下記の3つの補正機能が用意されています。
① De-rotation of images
複数の画像をコンポジットします。高解像度のL画像を作成する時などに有効です。
複数画像の撮影時刻から、その中間時刻の位置に、模様を合わせこみます。
② De-rotation of R/G/Bfrmaes
RGBまたは、LRGB画像を合成します。私が、通常使用している機能です。
RGB合成では、撮影時刻の中間時刻に模様を合わせこみます。
LRGB合成では、L画像の中間時刻に模様を合わせこみます。
撮影された動画の各フレームに対して、模様の補正を行います。結果は、aviまたはserの動画として保存されます。
または、スタック処理をして、pngファイルとして保存することもできます。
※ ER34さんへ:スタック機能があるのを忘れていました。でも、ほとんど使ったことはありません。
眠いので、今日はここまでにします。次回は、上記機能の説明です。
ではでは
6 件のコメント:
いよいよ楽しみなDe-rotation編開始ですね。
RGBやLRGB合成は当面行わないかな?
スローシャッターの807nmオーバーやメタンバンドでの撮影では、撮影時間を伸ばしたいと感じています。
その様なケースではDe-rotation機能を使いたいと思っています。
今回は導入編、次回以降の本編掲載が待ち遠しいです。
おはようございます、hasyamaさん。
WinJUPOSのDe-rotation機能の解説ありがとうございます。天気が
こんな感じで残念ですが、台風が抜けてからの木星撮影が楽しみで
す。
米山さんのご指摘のとおりスローシャッター時のフレーム数の確保
が可能になるので(SKYRISのおかげで低いフレームレートでも効率
よく撮影できるようになったのですが)スタック画像にきつい画像
処理ができるのがよさそうですね(笑)。
こんばんは。スタック機能があったのですね。でも、スタック専用に作られたソフトで処理するのが一般的な使い方なのですね。私もそのようにしようと思います。
使ったことのないソフト、特に海外のソフトを試行錯誤しながら使うのは本当に大変ですので、このように解説していただけるととても助かります。ありがとうございます。
ヨネヤンさんへ
なかなか先に進まないのですが、今週末までには、まとめます。
807nmや、メタンにも効果があると思います。試す場合は、10分以上の撮影時間をおすすめします。中途半端な時間だと、効果が感じられません。
ひろぽんさんへ
天気がこんな感じなので、本当はもっと早い展開にしたいのですが、ヘタレなのでごめんなさい。
メタンバンドなどは、秒1~2フレームなので、20分以上の撮影をして、高解像度な画像を得ている方もいます。プロレベルは、数週間の画像を位相を合わせて重ね、天王星や海王星の高解像度画像を得ています。
ER34さんへ
WinJUPOSのスタック機能の件、ごめんなさい。ありました。でも、能力はあまり高くなく、他の画像スタックソフトと比較しても、良い画質は得られませんでした。
今週末までには、使い方や効果の説明ができると思います。
今しばらく、お待ちを。
コメントを投稿