2015年3月26日木曜日

3月26日(JST)の木星

25・26日と撮影してみたのですが、どちらの日も期待外れでした。思ったより揺れていて、細かい模様がよくわかりません。それでも今日(26日)の方がましなので、処理してみました。
ちょうど、CM付近をBAが通過中で、周囲の暗半などがそこそこ見えるのですが、細かい模様となると半ボケ状態でピリッとしません。明日はもう少し良いシーイングを期待します。


小ネタ-WindowsでRAWファイルを表示する

Windowsのエクスプローラーは、JpegとかTiffのサムネイル表示はできますが、RAWファイルはできません。そんなもんだと思っていたのですが、ちゃんと表示する方法があるんですね。
 ・ Microsoft カメラ コーデック パック!
私はまったく知りませんでした。巷で有名どころのカメラのRAWをサポ-トしています。ただ、SONYのα7Sはまだ未サポートのようです。インストールすると普通に見えるようになりましたが、弊害としてぱっと見でJPEGと区別がつかない・・・
ちなみにα7Sの場合は、SONYのダウンロードページにある「RAW Driver」をインストールすると見えるようになります。

2015年3月18日水曜日

α7SのRAW現像について

A7SのRAW現像をいくつか試してみました。
 ・ Image Data Converter 
   α7S現像用。星が全般的にシャープになり、やや白飛びっぽくなります。でも、彗星のコマ周辺が解像度は高いです。
 ・ Camera Raw 
   PSでのRaw現像ですが、適度なシャープ感と色合いになり、今回の中では一番無難な仕上がりでした。
   当たり前なのですが、EOS6Dも同じ現像方法だったので、見慣れたイメージに仕上がります。
 ・ Pixinsight
   カラーノイズが目立ち、星像もやや肥大していますが、逆に言えば何もしない、素に近い現像なのかもしれません。
 ・ Stera Image7 
   現像時に、もっともあれこれしているようです。後処理後のような画像で、ノイズも目立たず星の色彩も派手です。
   後処理は楽になるとは思いますが、淡い部分などは、背景と混ざってしまっている可能性があります。

どれがベストかは、後処理の手間や好みで変わると思うのでここでは結論を出しませんが、現像方法によって、このぐらい画質が変わることは見て取れると思います。
結局今回は、見慣れたCamera Rawで現像したもので処理しました。あれこれやった割には、普通の展開になり、何かを期待して読んでた方がいましたらごめんなさい。
 ※ 前回EOS6Dと比較したA7Sの画像は、SI7で現像コンポジットしています。


SONY製CCDの終焉?

SONYがCCDの製造を停止すると発表したようです。
カメラメーカからの情報ですが、2017年3月で新規の顧客に対する製造を行わないようです。ただし、注文済みの製品は、2026年まで製造を継続するようです。惑星用で使用されているICX618などの取り扱いは記載されていませんでしたが、いずれ詳細な情報が発信されると思います。

ついにCMOSセンサーの時代が到来したようですね。
学生時代、回帰しつつあるハレー彗星の姿が冷却CCDで撮影されたことを知り、いずれ電子撮像素子の時代が来ると会報に書いたことがありますが、その撮像素子自体も取って代わられる時世になるとは!これで、CMOSセンサーの開発は加速されるでしょから、高感度・高解像度・低ノイズ。ハイダイナミックレンジの全てが、年を追う毎に進化していくと思います。その分、浪費も進みそうですが。

小遣いを貯めて買った一眼レフカメラが、10年以上も活躍していた頃を懐かしく思う、今日この頃でした・・・


2015年3月16日月曜日

α7Sで撮ったLovejoy彗星


先週、会社を午後からばっくれてA7Sのテストに行ってきました。場所は、いつものガリバーです。明るい内に観測地に着くのって、ほとんど記憶にありません。ちょっといい気分です。
今回も、撮影対象は彗星です。EOS6DとA7Sで撮り比べてみて、違いがでるのかを確認することが目的です。したがって、撮影感度もISO3200,6400をメインにしました。
まず、A7Sの使い勝手の感想です。
(長所)
 ・ ファインダーが無茶苦茶明るい。※ 覗くと星だらけ。Lovejoy彗星もよく見える。構図の合わせに便利。
 ・ EOS6Dと比較して、同ISOでもA7Sの方が感度が高い? ヒストグラムの飽和が早いです。※ 長所?
 ・ 天体用に改造していますが、それにしてもRが突出して感度が高い。WBの設定に失敗? ※ 長所?
(短所)
 ・ 画素数が少ないので、Fの明るい光学系だと、星がカクカクしてしまう。
 ・ リモート制御アプリのインターバル機能は、バルブでの使用ができません。 ※ 露出時間の設定ができない
 ・ インターバル間隔も10秒以下の設定ができない。 ※ 1秒露光の場合は、次の撮影は9秒後
 ・ 転送中に次のシャッターを切っても撮影しない。撮影間隔に2~3秒の間が必要。 ※ 流星撮影ではこの間はでかい。
 ・ 背面液晶パネルとファインダーの切り替えがAUTOで変更できますが、センサーの感度が良すぎて、ルーペでライブ
   ビューの拡大画像を見ようとすると、ファインダー表示に切り替わってしまいます。 ※ 液晶が消灯
   固定にする事も出来るのですが、切り替えがメニュー画面からしか出来ません。

A7S最大の問題点は、高感度を前面に出しているものの、天体撮影についてはほとんど考慮されていない点でしょうか。
まぁ、キャパが小さい市場なので眼中にないのかもしれませんが、Canonと比較すると、使い勝手の差は大きいです。
ただし今回の撮影は高感度特性の確認がメインだったので、全て30秒以内の露光に治まりました。結果的にバルブは使用
しなかったので、撮影自体に大きな支障はありませんでしたが。

感度について・・・
左がEOS6Dです。ISO3200-60secです。高度が低くなり、北西方向は光害も酷いのでカブリも酷く、露出過多になってしまいました。今回は、30secぐらいが適切だったようです。
右は、A7Sです。ISO3200-15secです。60secはまったくだめで、30secでもRが右端までいってしまいました。WBはオートだっと思うのですが、色温度を事前に決めておかないと、Rで露出が制限されてしまいそうです。EOS6Dとの差がなんで生じるのかは、よく分かりません。


撮影した彗星画像について・・・
結果的に条件がかなり異なってしまったので、参考程度にしかなりませんが、処理後の画像を載せます。A7Sは、RAP2で処理ができないのが、これまた残念でした。有償のアプリなのですから、それなりのサポートをお願いしたいのですが、そこが残念です。で、今回はRStackerという無償のアプリでDark・Flat処理をしました。無償ですが使い方も簡単で処理時間も早いです。A7Sも、問題なく処理できました。有償のRAP2を買わなくても、これで十分のと思います。おすすめです。 
  ※ 作成者の方には、感謝です。
彗星の写りですが、今回の画像の範囲では、A7Sの方が良かったです。扇状に湾曲しながら伸びるイオンテイルの様子がよくわかります。EOS6Dも写ってはいるのですが、背景に埋もれてしまし、引っ張り出すに苦労しそうです。差の違いは、やはり背景のノイズでしょうか。EOS6Dは16枚のコンポジットですが、A7Sは15sec露光なので、同じ露光時間だと60枚になります。当然、あと処理はやり易くなります。
この点について、次回にまとめたいと思います。 ※ 仕事が始まったので・・・


2015年3月8日日曜日

手持ちデジカメのノイズ試験(EOS60Da,6D,α7S)

ここ最近は、彗星の撮影にシフトしていました。ただ写すだけなら簡単なのですが、テイルの形状とかをそれなりの描写に仕上げようとすると、短時間で移動し変化する彗星固有の挙動が、撮影を難しくします。
特に今回のLovejoy彗星のようなイオンテイル主体で、なおかつ地心距離も近いと、数十分程度でその形状が変化しているのが見て取れるので、何時間も露出してノイズを平均化する手法では、イオンテイルの微妙な変化を打ち消してしまいます。しかし、淡い部分の表現は、当然露出時間を増やした方が鮮明度は上がります。当たり前と言えばそうなのですが、
今回色々と試した末、彗星撮影には明るい光学系が有効なのだな! と実感した次第です。
さて、短時間で撮影を完了する要素のもう一つに、撮像系の感度があります。
ここからが本題なのですが、高感度撮影用として最近話題のα7S(以後A7Sと表記)を手に入れました。年末~年始にかけてヤフオクで未使用品を売りまくりましたが、そのお金は全部消えてしまいました。(物欲に憑りつかれていますね)
実地投入はまだですが、曇天が続いているので会社の恒温槽を使ってノイズ試験をしてみました。これがまた思ったより大変で、カメラ3台を、しかも1台あたり8コマ撮ってコンポジット処理をしよう!!などと思ったものですから、30秒×8コマという中途半端な間が延々と繰り返され、結局始めてから完了するまで8時間近くかかりました。
ボヤキはともかく、下記にその結果を載せておきます。なお、A7Sのリモート制御アプリがとっても貧弱で、インターバル撮影時にバルブの露光時間が設定できません。仕方がないので、最長シャッター時間30秒で統一しました。彗星撮影目的
で評価したので、私的にはこれでOKなのですが・・・

 (試験内容)
   ・ 測定温度: 室温(22℃)、10℃、0℃
   ・ カメラ: EOS60Da、EOS6D、A7S
   ・ ISO感度:1600、3200、6400、12800
   ・ 露光時間:30秒×8枚  ※ RAW現像はPSで、WBは撮影時の設定。コンポジットはSI7

さて結果ですが、噂のとおりA7Sは低ノイズでした。後半にノイズの標準偏差値をグラフ化していますが、A7Sのノイズレベルは6Dの約半分ぐらいでした。6DでISO3200で撮影した対象を、A7SならISO6400で撮影できる可能性があります。露出時間が半分、同じ露光時間なら倍の撮影枚数が稼げますから、彗星撮影には、向いているカメラと言えそうです。 
  ※ 実際の写りについてはこれからですが
それ以外にもいくつか分かりました。
 ・ 天文用として販売された60Daと比較しても、6Dのノイズは半分ぐらいです。6Dのノイズの低さが実感できました。
 ・ ISO1600付近から、A7Sと6Dのノイズは差がほとんど無くなります。低感度撮影であれば、両者の差は小さそうです。
 ・ 温度との関係ですが、10℃以下になるとあまり変わらなくなりました。これは、熱ノイズより電気的なノイズの影響が
   目立ってくるためかもしれません。星ナビ2008年11月号で冷却デジカメの特集がありましたが、同様の結果でした。
 ・ 後半に、カメラが出力したJpegのノイズデータも掲載しております。こちらは、A7Sより6Dの方が低ノイズの印象です。
   200%に拡大していますが、A7Sの方はパターン状のノイズも確認できます。Jpeg生成エンジンの性能差ですかね? 

結論として、高感度を利用した短時間露光が必要な対象にはやはり有効そうです。ただ、ISO800~1600程度でじっくり撮影するような場合はメリットが薄いかもしれません。あと、リモート制御用のアプリがおまけ程度の機能で、Canonと比較するとその差は大きいです。
今週晴れれば、テストを兼ねて彗星を撮影しに行く予定です。撮像性能も、このとおりだと良いのですが・・・・

環境温度22℃での背景ノイズ(Lv=32で切り詰め)   

環境温度10℃での背景ノイズ(Lv=32で切り詰め)

ノイズの平均レベル(8bit換算) 黒線:60Da、赤線:6D、青線:A7S

ノイズの標準偏差(8bit換算)  黒線:60Da、赤線:6D、青線:A7S

Jpegの背景ノイズ (Lv=16で切り詰め、2倍に拡大)


2015年3月3日火曜日

3月2日(JST)の木星

3月2日の木星です。
前回よりかはマシですが、なんか模様がぶれているかのような微妙な仕上がりになりました。撮影した直後から、どんどんシーイングが悪化していき、30分後には曇ってしまいました。残念・・・
気が付けば、木星の南中時刻がずいぶん早くなりましたね。