2013年2月25日月曜日

今シーズンの木星 最良画像


2012~2013年の木星は、夏場の好シーイングの影響で、前半は盛り上がりました。でも、10月以降は、体調不良などやシーイングの悪化から、一気にしぼんでしまった感があります。雑誌への応募も、8、9月は視直径がまだ40"程度だったので、もう少し大きくなった頃の好シーイング画像を処理して送ろうなどと思ったのですが、結局は、だらけているうちに衝も過ぎてしまいました。
中途半端な総括はさて置き、今回アップした画像は9月10日(UT)に撮影したもので、この時期、もっともシーイングが良かった日の一つです。なぜか、今年は大赤斑が正面に来る位相では、あまり良い画像が撮影できませんでした。一年に数える程しかないシーイングに恵まれた日なので、ちょびっと残念です。
さて、シーイングが良いと当然ながら細かい模様が明瞭に見えてきます。私は、L・R・G・Bを全てフィルターで分けて撮影していますで、中央のRGB画像も、元はモノクロカメラで撮影しています。惑星の撮影方法は、主に3つのパターンに分類されます。

 ① カラーカメラで一気に撮影する方法。 (一発撮り)
 ② 模様をモノクロカメラ。色をカラーカメラで撮影する方法。 (LRGB合成)
 ③ モノクロカメラ+L・R・G・Bフィルターで撮影する方法。 (RGB合成、LRGB合成)

どの方法が最適なのか、時々議論されることがありますが、各自、撮影方法に対するこだわりがあるので、これがベストという結論は出ていません。特に数えたわけではありませんが、日本国内は①,②の方が多いです。私は③ですが、少数派でしょうか。海外は割と③が多いです。 ※ 知っている観測者が限られているのも要因とは思いますが
さて、ここからは個人的な感想を書こうと思ったのですが、結構長くなりそうなので(実際、かなり長い)、何回かに分けて書いてみたいと思います。
中途半端ですが、本日はここまでです。 (o・・o)/

2013年2月23日土曜日

色表現について 2


液晶モニタ-を並べて、その違いを見てみました。

 左:EIZO CX240(24", 色温度6500K)、中央下:VAIO Sシリーズ(15.5")、右:DELL 2001FP(20")

6500Kで設定されているEIZOのモニタは、アニメ周囲のピンク色が、きれいに3段階で見えます。それに対し、VAIOやDELLのモニタでは、くすんだ感じで鮮やかに欠けます。DELLは緑が強調され、VAIOさらに青白く見えます。ただし、VAIOとDELLの色相似通っているので、どちらも、色温度の設定が同じ(9300K?)で調整されていると思います。
ただし、この画像がブラウザ経由でほかのモニタに表示されると、これまた違った印象になってしまうんでしょうね。
現在は、EIZOとDELLのモニタを並んで設置しているので、両者の色相の違いからWindowのバックの白が、DELLは青白く、EIZOは淡いピンクに見えるようになってしまいました。人間の眼が、いかに曖昧で相対的なものかを実感しています。

2013年2月21日木曜日

色表現について


惑星画像の時も多少は気にしていたのですが、星雲の画像を処理すると、色の表現に悩むことになりました。なんといってもHα光は、ほとんど目に見えないので、色彩を感じにくい対象です。フィルム時代からのイメージはありますが、最終的には、撮影者の個人の感性に大きく影響します。
とは言え、ヨネヤンさんからのご指摘のとおり、私は画像をかなりのハイコントラストで仕上げる傾向があり、思い切ってキャリブレーション機能付きのモニタを購入しました。ちょうど、CAD設計用の大型モニタの購入を検討していたので、「○×△~¥¥するには、このくらいが必要」という強引な理由で納得?してもらいました。 ※ 型式はEIZOのCX240-CNXです

このモニタでVAIOで作成した画像(左上)を見てみると、あら(°д°)で、馬頭星雲は完全にマゼンタ側に寄っていました。背景もかなり真っ暗で、どぎつい画像に見えます。
右上は、VAIOの画面を見ながら、EIZOのモニタで似たイメージにしてみたものです。特に違っていたのでは、VAIOの色彩表現は赤が弱い点です。したがって、赤さを強調しようとすると、かなり誇張されてしまうことが分かりました。社内にある、他のモニタにも同じ傾向で、色温度の設定がかなり高めのようです。EIZOと比較すると、全てが青緑がかったように見えます。逆に、EIZOは赤みがかったように見えますが。 ※ 色温度 6500Kで調整していますが

また、撮影した画像をJPEG変換してBolgにアップした画像を見てみると、これまたビビットな絵ヅラになってしまいました。下の2枚は、右上の画像をJPEG変換したものです。JPEG変換で色調が変化しているのではなく、ブラウザのカラープロファイルにより変化するようです。ChromeとIEでも異なるのが分かります。 ※ この画像も、ブラウザ越しなので分かりにくいかもしれませんが
以上の点から思うに、VAIOで編集した処理した画像をアップする場合は、かなり軟調気味に仕上げる必要がありそうです。

色の道が難しことがよく分かりました。

追伸)
アップしたこのblogをVAIOで見てみると、霞がかかっているような眠い感じが・・・

2013年2月18日月曜日

M78・馬頭・M42の続き


曇る前までの画像を使用して処理してみました。JPEGの撮りっぱなしを8枚スタック(合計56分)しています。今回もRAWを使用していない、おさぼり画像処理です。
今回残念だったのは、R画像のピンボケでした。撮影エリアからすれば、やはりRG側のピントを優先させるべきでした。青ハロの方が、ある意味自然に見えたと思います。
 ※ 2/19に画像を入替。背景を明るくしてみました。

EOS60Da, EF135mm F2(F3.5) + CLSフィルター
ISO1600, 420sec×8pics(JPEG)
SKYMEMO-Rによる自動追尾

2013年2月14日木曜日

M78・馬頭・M42


EF135mm F2を買ってしまったし・・・シリウスもチカチカしているので木星はアカンだろと勝手に思い・・・我慢できずに、撮影しに行ってしまいました。 
ただ、残念ながらGPVは一晩中晴れの予報でしたが、撮影開始から1時間もしない内に雲が流れてくるようになり、結局10時頃には撤収しました。おかげて、会社を遅く出た時と大差ない時刻に帰宅できましたが。
前回のEF200mmで気になっていたのですが、ライブビューでピントを合わせる時、星像に赤いハロが出る付近が最適なピント位置のような気がします。前回のEF200mmの時は、全体として色が目立たないところに合わせたのですが、非常に甘い結果になりました。どこかのブログでも、同じようことが書かれています。これって常識なんですかね?
今回の画像は、赤ハロ以外がもっとも小さくなる位置で撮影しています。また、数フレーム毎に確認したのですが、撮影中にピント位置が変動しているのを確認しました。温度変動か、自重の影響かもしれません。
ちなみに、今回の画像はJPEG 1枚だけです。時間が無いので、コンポジットとかしませんでした。こんなことしている時ではありません。木星会議の資料を作成しなければ。

EOS60Da, EF135mm F2(F3.5) + CLSフィルター
ISO1600, 420sec
SKYMEMO-Rによる自動追尾

北斗七星と夜景


いつも行く撮影地の夜景です。北斗七星で分かるとおり、北の方角にあたります。見る分には綺麗なのですが、この通りの明るさなので北天のガイド撮影はする気になりません。
この画像はEOS40Dで撮影したのですが、60Daと同じノリでISO1600で撮影したところ、びっくりするぐらいのノイズが発生しました。(アップした画像は、無理やり消していますが)
あらためて、EOS60Daがいかに低ノイズかが実感できた次第です。
ちなみに、後付けでキラキラ調にしています。意味は特にありません。

EOS40D Samyang 14mm (F5.6)
ISO1600, 露出15秒


2013年2月12日火曜日

IC405の再処理


IC405周辺を再処理しました。元画像は、前回と同じでJPEG画像のコンポジットベースです。今回は星雲マスクを作成して、星雲のみの強調を試みました。それでも、星雲内の星を中心に不自然なリングが発生してしまうので、目立つものだけリングを埋める処理をしています。拡大すると処理しきれない跡が見えますが、前回のように、フィルターで一律に処理して星像がいびつになることはなくなりました。もう少し星像はおとなしめにしたいのですが、それはこの次に。また、Hαを主とするR成分が、GBと比較するとかなり明く写るので、カラフルな色彩で表現するのに難渋しています。ここに、ひと工夫必要そうです。CLSフィルター無しの画像もテストしてみたいと思っています。
次は、この画像を目安に、RAW現像後の画像で処理して見たいと思います。

2013年2月11日月曜日

天城高原 IC405 まがたま星雲周辺


新月なので天城高原に行ってきました。7時半ぐらいに着いたのですが、さすがは新月。すでに7~8組の天文家が陣取っていました。空はすでに暗く、冬の星座はすでに南中付近なので、2~3時間の露出を考えると夜半過ぎで撮影がむずかしくなります。春の星座は、銀河が中心となるので私の機材では、ちょっと無理です。 ※ 撮影する気にならない。
天気は快晴でしたが、時々やや強めの風が吹くのが気になります。先週の撮影も強風下だったので、2週連続? と不安に感じつつ撮影に入りました。
最初の撮影は、ぎょしゃ座のIC405(まがたま星雲)周辺で、代表的な天体は次のとおりです。

 左上:M38、左下:M36、中央左:IC417、中央右下:IC410、右:IC405

今回は、200mmの望遠レンズで2時間の露出を試みましたが、淡い部分の出はイマイチでした。しかも、今回の画像はJPEGのコンポジット画像です。RAW現像のコンポジットも試してみましたが、なぜか、ここまで到達できません。EOS60Da+CLSフィルターは、R成分が極端なハイコントラスト画像になるので、カラーバランスが非常に難しいです。その点、メーカ設定のスタンダード現像の方が良いとのことなんですかね? 星の色も白飛びしていてカラフル感がない上、星のマスク処理の過程で、M36,M38の星が密集している部分で星が連結してしまいました。これらの反省を踏まえて、RAWでの処理を試みてみます。しかし、なかなか進歩しないですね。あと、ピントがやや甘い感じ。ライビューで確認したのですが・・・
撮影後半から風が強くなり、次の対象(バラ星雲)を撮影するころには、時々車が揺すられるほどになり、0時前に撮影を断念し帰路につきました。

2月10日 伊豆天城高原
EOS60Da、EF200mm F2.8(F4.0)+CLSフィルター
ISO 1600、露出300sec×24コマ(JPEG画像をコンポジット)
SKYMEMO-Rによる自動追尾


2013年2月6日水曜日

M42と馬頭星雲


200mm望遠レンズを使用して、強風の中、無謀な撮影をしました(前回のブログのとおり)。
240sec×16枚、120sec×8枚の撮影でしたが、最低限使えそうなコマは、240secで3枚、120secで1枚の計4枚。合計露出14分の、しょぼい結果になってしまいました。
それでも、風の影響かガイドミスかは不明ですが、やや星が楕円気味になり、PixinsigtのMotion Blur PSF機能で丸くなるよう補正しています。おかげで、どうにかアップできる画像になりました。
今回の画像は、擬似的なHDR機能で階調圧縮をしてみました。ノーマル処理では、M42の中心部は飽和してしまいますが、HDR処理により、そこそこ内部まで見えます。ただ、M42と馬頭星雲の表現の差が目立ち、やや違和感が残る結果となりました。まぁ、あんまりいじくってもバックグラウンドの粗が目立つだけなので、今回はここまでです。
今週末は新月です。晴れるといいですね(^-^)。

2月2日 伊豆達磨山
EOS60Da、EF200mm F2.8(F4.0)+CLSフィルター
ISO 1600、露出240sec×3コマ、120sec×1コマ
SKYMEMO-Rによる自動追尾


2013年2月5日火曜日

冬の天の川


先週末に撮影した冬の天の川です。オリオン座からぎょしゃ座、おうし座までを、Samyangの14mm広角レンズで撮影しました。Hαで光る赤い星雲や、暗黒星雲が入り乱れている様がわかります。
本当は、望遠レンズでM42を撮影する予定でしたが、風が強くてガイドに失敗する可能性が高いと思い、急遽、広角に切り替えました。天の川をメインにして構図を決めたので、オリオン座がやや傾いています。
とは言っても、せっかくここまで来たのだからと、結局は200mmの望遠レンズでも撮影してみました。が! やはり無謀だったようで、大半のフレームで星がラクビーボール状になっていました。月も出てきたので、0:30に撤収です。

今回の画像処理ですが、DeepSkyStacker(DSS)なるフリーソフトを使用してみました。スタック処理専門のソフトで、撮影した画像を指定して、いくつかの設定を行うと、後は勝手にスタック処理をしてくれます。SI6にもその機能はありますが、以前、ここにアップしたバラ星雲付近の画像を24枚のスタック処理を実行させた結果、綺麗には重ならず、4枚毎に処理して最後はマーカーを打って重ねました。その点このDSSは、このときの画像をいとも簡単に重ねてくれます。これで無償とは・・・ とっても便利なので、是非お試しを。 (^-^)/

2月2日 伊豆達磨山
EOS60Da、Samyang14mm(F5.6)+CLSフィルター
ISO 800、露出300sec×16コマ
SKYMEMO-Rによる自動追尾

2013/02/10 画像入れ替えました

2013年2月1日金曜日

1月31日(UT)の惑星


シーイングが、この時期としては良い方で、そこそこの解像度で撮影できました。19時付近では、町田市上空は結構な数の飛行機が通過していて、時々ジェットエンジンの排気の影響で激しく気流が乱れます。また、車の台数も多いので、これまた激しい振動に見舞われますが、そこは我慢で撮影です。
木星の撮影も、南中過ぎると高度がありすぎる影響で、22:00前には自宅屋根に隠れてしまいます。3月ぐらいで、木星のシーズンが終わりそうです。

LRGB 各120sec
318mm F=6250mm, Kasai 1.5Balrlow lens, DMK21AU618



木星撮影時シーイングが良好だったので、早起きして土星を撮影しました。寝坊して5:30に起きたのですが、まだ空は暗かったので急いで撮影しました。低空なので、木星撮影時ほどのシーイングではありませんでしたが、最低限の模様は写りました。昨年撮影した画像(上の土星)と比較すると、解像度の違いはありますが、北極付近の暗い模様が、縮小しているように見えます。

LRGB 各120sec
318mm F=6250mm, Chameleon  (Point Grey)