6月5日(JST)に撮影した火星です。一見模様が少なく見えるエリアですが、色々な地形が隠れています。まず目につくのは南極冠ですね。完全に晴れ上がったようで、縁のギザギザがよく分かります。その下のやや丸っこい地形が”太陽湖”。さらにその下。左から右に欠けて暗斑が連続していますが、この付近があの有名な”マリネリス渓谷”です。ですが・・・今回は、これら有名所とは別に面白いものが写っています。左下の欠けぎわが凸凹していますが、実はこれは地形ではなく現在拡大中のダストストーム(砂嵐)のようです。本来、欠けぎわには"クルュセ平原"が位置しているのですが、先日そこで砂嵐が発生したようで、現在も拡大中とのこと。その端っこが、太陽の光を斜めに受けた関係で、陰影が強調され地形のような模様になったようです。Blue画像には、通常火星上空の氷晶雲が写ります。中央付近から右方向に淡いももやもやが見えますが、これは山岳地帯で発生している雲です。それに対し、左下の欠けぎわの明るい模様は、ダストストームの拡がりだと思われます。私は、この規模のダストストームは初めてなのでちょっとワクワクしていますが、このまま拡大すると、大接近前に火星の模様が見えなくなる可能性も出てきましたね。さてさて、どうなるんでしょうね!? 大接近まで、2ヶ月を切りました。
2018-06-05 (JST)
CFF CC400 (400mm-F20 Classic Cassegrain, f = 7,700mm)
ZWO ASI290MM, Wedge prism (ZWO ADC), 1.4x Barlow
Astrodon LRGB-Filter, L : 60sec x 7, R/G/B 60sec each
Diameter=15.9", T=3/5, S=3/5