昨年の6月に、Daystar社のION-Filterを紹介しました。その時は、次回はこのFilterの使い勝手云々などと書きましたが、すっかり忘れていました。今朝方、少しデータが取れたので、忘備録を兼ねて紹介します。
写真のユニットが、Daystar社のION-Filterです。モノについては、
昨年のブログを参照してください。このFilterを使用する場合、いくつかクリアしなければならないポイントがあります。
① 説明書が超カンタンで、実際なにも分からない。
ユニットの画像を見てもらうと、「SUN」、「RED」、「BLUE」などのシールを貼っていますが、理由は、これらの情報が説明書に記載されていないためです。全部、メーカーに英文メールを送って確認しました。
② 電源が必要
このFilterは、温度制御をして通過波長を調整しています。したがって、+12Vの電源が必要です。また、温度が安定するのに5分程度かかります。波長調整後にも、数分待つ必要があり、チルト調整のように画像を見ながら調整することができません。
③ Hα波長の微調整
メーカー出荷時に調整はされているようですが、ユニット画像にあるダイヤルで、±0.5Å程度波長をシフトさせることができます。下記の画像は、Hαを中心に0.2Å程度シフトさせた時の画像です。見ての通り、この程度の波長変化でも、表面模様がかなり変化するのが見て取れます。いつもは、Hα(センター位置)で撮影していますが、黒点周辺のプラージュは、Hα-0.2Åの画像の方が明らかに明るく見え、小さいプラージュも確認できます。
④ 画像ムラ
これが、一番大変です。太陽望遠鏡においては多かれ少なかれ、この問題に直面する方が多いと思いますが、このFilterもしかりです。
まず、このFilterだけではないのですが、ASI130MMは、干渉リングの発生が顕著でした。これは、カメラの取り付けアダプターを傾けて、改善しました。ただ、改善後も、輝度ムラが残ります(画像の右側)。このムラはけっこう激しい箇所があり、1/2"CCDだと画面の1/3まで被ります。これを改善するため、カメラを中心からオフセットさせました。ぐりぐり回してずらして、一番ムラが少ない位置を決めています。最後の画像が調整後接眼部周辺です。干渉リング防止目的で、紙を挟んで傾けていているのと、カメラをオフセットさせるため、フランジが上下でずれているのが確認できます。
いかがでしたか? 面倒くさい? お金があれば、Daystar社のQuantumにすれば、もう少し使いやすくなると思いますよ。
ではでは・・・