2015年3月16日月曜日

α7Sで撮ったLovejoy彗星


先週、会社を午後からばっくれてA7Sのテストに行ってきました。場所は、いつものガリバーです。明るい内に観測地に着くのって、ほとんど記憶にありません。ちょっといい気分です。
今回も、撮影対象は彗星です。EOS6DとA7Sで撮り比べてみて、違いがでるのかを確認することが目的です。したがって、撮影感度もISO3200,6400をメインにしました。
まず、A7Sの使い勝手の感想です。
(長所)
 ・ ファインダーが無茶苦茶明るい。※ 覗くと星だらけ。Lovejoy彗星もよく見える。構図の合わせに便利。
 ・ EOS6Dと比較して、同ISOでもA7Sの方が感度が高い? ヒストグラムの飽和が早いです。※ 長所?
 ・ 天体用に改造していますが、それにしてもRが突出して感度が高い。WBの設定に失敗? ※ 長所?
(短所)
 ・ 画素数が少ないので、Fの明るい光学系だと、星がカクカクしてしまう。
 ・ リモート制御アプリのインターバル機能は、バルブでの使用ができません。 ※ 露出時間の設定ができない
 ・ インターバル間隔も10秒以下の設定ができない。 ※ 1秒露光の場合は、次の撮影は9秒後
 ・ 転送中に次のシャッターを切っても撮影しない。撮影間隔に2~3秒の間が必要。 ※ 流星撮影ではこの間はでかい。
 ・ 背面液晶パネルとファインダーの切り替えがAUTOで変更できますが、センサーの感度が良すぎて、ルーペでライブ
   ビューの拡大画像を見ようとすると、ファインダー表示に切り替わってしまいます。 ※ 液晶が消灯
   固定にする事も出来るのですが、切り替えがメニュー画面からしか出来ません。

A7S最大の問題点は、高感度を前面に出しているものの、天体撮影についてはほとんど考慮されていない点でしょうか。
まぁ、キャパが小さい市場なので眼中にないのかもしれませんが、Canonと比較すると、使い勝手の差は大きいです。
ただし今回の撮影は高感度特性の確認がメインだったので、全て30秒以内の露光に治まりました。結果的にバルブは使用
しなかったので、撮影自体に大きな支障はありませんでしたが。

感度について・・・
左がEOS6Dです。ISO3200-60secです。高度が低くなり、北西方向は光害も酷いのでカブリも酷く、露出過多になってしまいました。今回は、30secぐらいが適切だったようです。
右は、A7Sです。ISO3200-15secです。60secはまったくだめで、30secでもRが右端までいってしまいました。WBはオートだっと思うのですが、色温度を事前に決めておかないと、Rで露出が制限されてしまいそうです。EOS6Dとの差がなんで生じるのかは、よく分かりません。


撮影した彗星画像について・・・
結果的に条件がかなり異なってしまったので、参考程度にしかなりませんが、処理後の画像を載せます。A7Sは、RAP2で処理ができないのが、これまた残念でした。有償のアプリなのですから、それなりのサポートをお願いしたいのですが、そこが残念です。で、今回はRStackerという無償のアプリでDark・Flat処理をしました。無償ですが使い方も簡単で処理時間も早いです。A7Sも、問題なく処理できました。有償のRAP2を買わなくても、これで十分のと思います。おすすめです。 
  ※ 作成者の方には、感謝です。
彗星の写りですが、今回の画像の範囲では、A7Sの方が良かったです。扇状に湾曲しながら伸びるイオンテイルの様子がよくわかります。EOS6Dも写ってはいるのですが、背景に埋もれてしまし、引っ張り出すに苦労しそうです。差の違いは、やはり背景のノイズでしょうか。EOS6Dは16枚のコンポジットですが、A7Sは15sec露光なので、同じ露光時間だと60枚になります。当然、あと処理はやり易くなります。
この点について、次回にまとめたいと思います。 ※ 仕事が始まったので・・・


6 件のコメント:

mead 16inch さんのコメント...

興味深い分析でした。6Dは無改造でしたよね?その辺の違いも気になります。どう使い分けるのか興味シンシンです!

Unknown さんのコメント...

EOS6DとA7Sで撮り比べ実験、有益な情報に感謝です。
前の記事で予想した通りの結果でしょうか。
撮影した画像を見ると、低ノイズのA7Sでは淡い尾が見事に浮かび上がっていますね。
ただ、美しさでは6Dの方が良いとの印象です。

@hasyama さんのコメント...

長岡君へ
EOS6Dは無改造です。A7Sは改造機なので、Rが突出するのは仕方ないのですが、ほとんど影響ないGの感度が6Dと異なるのが、よく分かりません。ISO規格なのですから、同じF値なら同じ様な露光時間になってほしいのですが。

@hasyama さんのコメント...

ヨネヤンさんへ
現時点での個人的な見解ですが、星雲星団撮影が目的なら、EOS6Dの方が良いと思います。
A7SはRAW現像後の色彩が鮮やかすぎで、一見綺麗に見えるのですが、カラーノイズが目立つため、ノイズの処理をきちんとしないと宝石箱をぶちまけた様な画像になります。
ただ、彗星目的に絞ればこれはいけるかもと思っています。しばらくは、このカメラメインで試してみます。

mead 16inch さんのコメント...

私も最近EOS KISS X7iを改造したばかりで先日試写をしたのですが今までとワークフローや出てくる画像が富士のTIFのときと異なり戸惑っています(>_<)

@hasyama さんのコメント...

長岡君へ
RAW現像も、PS・SI7・Pixinsightで異なりますから、あれこれやり始めると迷路に入りますね。ブログに色々と出していますが、今のところ毎回フローが変わっています。迷走飛行中。