CCD/CMOSセンサーカメラの感度特性(1)

月惑星研究会で発表した、各種PCカメラの撮像特性データを掲載しておきます。
 ※ 気がつけば、カメラだらけです(特に中華製)・・・(^_^;)

 評価カメラの一覧 ※ 太字は説明文での呼称
  ① PGR製 CMLN-13S2M (ICX445ALA, 3.75um, Mono) ← これだけCCDです。
  ② ZWO製 ASI130MM (MT9M001, 5.2um, Mono)
  ③ ZWO製 ASI120MM (MT9M034, 3.75um, Mono)
  ④ PGR製 CM3-U3-13Y3M (Python1300, 4.8um, Mono)
  ⑤ ZWO製 ASI224MC (IMX224, 3.75um, Color)
  ⑥ ZWO製 ASI290MM (IMX290, 2.9um, Mono)
 ※ 安めのCCTVレンズで撮影しています。 35mm F1.7 (F5.6で使用)
 ※ 各画像は、撮影した画像の中心付近を400×300ピクセルで切り出しています。

惑星屋さんから見れば、木星などを撮影した時の生データーを欲しているとは思いますが、シーイングの影響などで定量的なデーターを得るのは難しく、室内で撮影することにしました。
各画像は、ヒストグラムを見ながら明るさが70%程度になるように調整しています。ただし、モノによっては感度不足でそこまで明るくならないものもあります。またノイズが酷くなると、ヒストグラムがノイズ成分を表示してしまうので、明るさを70%と判断できなくなる場合もありました。素人の実験なので、その当たりは割り引いて見て頂けると助かります。

1) シャッタ-速度 5msecでの画像
 ノーマルの撮像条件だと、どれも似たような画像になるのでそこそこ高速のシャッターで撮像してみました。このくらいのシャッター速度になると、ショットノイズが目立ってきます。ASI290MMはピクセルサイズが小さい割には、意外と目立ちません。ICX445, ASI120MM, IMX224が見た目は同じぐらい? ASI130MMとPythonは、ゲインを最大にしても露出不足になります。特にASI130MMは、橫縞ノイズが目立ちます。使用されているセンサーもやや古いので、CMOS固有の欠点がまだ目立ちました。意外だったのは、Pythonです。オンセミの製品で、現在主流の製品ですから、そこそこ感度が高いと思ったのですが、2世代ぐらい前のASI130MMと同等なレベルです。カタログスペックではASI130MMの3.5倍程度感度が高いので、FireCaptureのGain設定、もしくはカメラ側で実用ゲインを制限しているのかもしれません。普段は太陽撮影に使用しているので気になりませんでした。

2) 低照度撮影下での画像
 天文屋さんはこちらの方がわかりやすいと思います。撮像時に室内の明かりは全て消したので、肉眼ではテストチャートのパターンは見えませんでした。光源は、廊下の非常灯から漏れてく程度光です。画像の並びは、ASI130MM以外は先の画像と同じです。上段の2コマ目はASI130MMではなく、ICX445の強調画像を載せています。見てのとおり、CCD代表?のICX445は、この条件下では画像を構成することができませんでした。シャッター速度を1秒以上にもできましたが、ノイズが酷くて絵になりません。これに対して、一世代前のCMOSセンサーを搭載したASI120MMは、2秒露光ながらかなりはっきりとした画像を得ることができました。以前このブログで、ASI120MMを紹介したことがあるのですが、そこではほぼ同等の性能で「これからはCMOSセンサーの時代か・・・」などと偉そうなことを言っていました、でも、今回の結果を見るとすでに越えていたかもしれませんね。中途半端なテストで申し訳ありませんでした。m(_ _)m
ちなみに、Pythonもこれ以上露光を伸ばすと、輝点ノイズだらけになります。そして、やはり高感度性能を発揮したのはASI224とASI290でした。どちらも0.5秒以下で十分画質を確保できます。単純に言えば、ASI120MMの4倍程度感度が高いことになります。今回の結果では、ASI224MCの方がやや感度が高いように見えますが、これはヒストグラムがノイズで乱れて、明るさの判断がきちんとできなかったことが要因です。ピクセルサイズが2割ほど小さいことを考えると、単純な感度はASI290の方が高いです。

3) 通常光での画像
 33.3msecで撮影したの画像です。あらためてみると、画像の大きさがバラバラですが、これはピクセルサイズを反映しています。焦点距離が固定なので、しょうがないですね。 さて、どの画像も適正露出なので似たような画像ばかりですが、ASI130MMの画質があんまりよくないですね。霞んでいるように見えますし、感度もけっこうギリです。うっすらとですが横縞ノイズも見えていますね。ちなみに、Gain表記横の%は最高感度設定に対する割合です。これで単純に評価すると、感度はだいたい以下の順になりました。
            ASI290MM > ASI224MC > ASI120MM > ICX445 > Python > ASI130MM
やはりASI290MMは、モノクロなのでカラ-フィルター付きのASI224MCよりかは感度が高そうです。このセンサーはカラー仕様もあるので、同じカラータイプで比較できるとよかったんですが、これ以上赤い缶詰が増えてもなんなんで、PCカメラは打ち止めにしています。ちなみにカタログスペックだと、ピクセルサイズを考慮した場合、ASI224MCの方が8%ほど感度が高いです。

長くなってきたので、残りは次回です・・・

撮影風景


コメント

匿名 さんのコメント…
デジ天でお世話になっておりますH,Kです。ブログなどでは『ちゅらひろ』と名乗っています。
参考になります!
FC-100DL 2倍バロー NexImage5 でがんばっていますが、
次、何を買おうか勉強中です!
冷却付きで良いかなと思っています。光害地域なので!
また、閲覧させていただきます。
ibuki05006 さんの投稿…
レポートお疲れ様です。290とか224に買い換えれば私も一気にスキルアップ?って気になってしまういそうですが間違ってますか?
@hasyama さんの投稿…
ちゅらひろさんへ
はじめまして、hasyamaこと山崎です。
例会で発表した資料なのですが、実際の月惑星とは条件が異なるので多少ピンぼけしたデータですが、参考になれば幸いです。実験してみて分かったのですが、今のCMOSセンサーの性能には驚くばかりです。4~5年前のCCDの4倍くらいの感度があります。冷却タイプも興味があるのですが、これ以上カメラがあっても使い暇がないので、皆さんの結果を楽しみにしています。
~
@hasyama さんの投稿…
長岡君へ
買えばスキルアップするでしょう・・・ね! なにせ感度が違いすぎますから。感度がよければ拡大には有利ですし、フレームレートも上がります。基本はLucky Imageですから、たくさん撮影した方がよい画像は得やすくなります。ASI224MCがお勧めですよ。安いし。散在音頭で踊りましょう?!

ibuki05006 さんの投稿…
踊っちゃおかな...Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
@hasyama さんの投稿…
実際、踊りまくりです・・・缶詰だらけ
(ノ´∀`)ノ゙祭 ヽ(´∀`ゞ)祭
ひろぽん さんのコメント…
貴重な情報ありがとうございます。
カラーカメラDFK21からやっと変更できそうです。
ASI224MCがいいみたいですね。
米山誠一 さんの投稿…
貴重な情報を有難うございます。CMOSの進化、本当に激しいですね。1年後にはどうなっているのか。
慌てずに様子を見たほうが良いかな?
ASI224MCとASI290MMの比較、興味深いです。カラー優先ならASI290MCと考えていたけど、少し様子を見ることにします。
@hasyama さんの投稿…
ひろぽんさんへ
カラーカメラですが、ASI224MCを買っておけばまずは問題ないと思います。私は主にモノクロで撮影していたので、カラーカメラに特段の期待はしていなかったのですが、このカメラには感動しました。後工程の面倒な合成処理も不要なので、最近は楽していることが多いです。最近はASI290MCも出てきたので悩むとは思いますが、感度面ではさほど違いはないと思います。実績ベースではASI224MCの方が確実に評価されていますから、冒険好きでなければ、そちらが良いと思います。ハイ! 
ポチ報告を、楽しみにしていますね。!(^^)!
@hasyama さんの投稿…
ヨネヤンさんへ
目ではまったく見えないテストチャートが、くっきりと写ったのにはびっくりしました。
 ※ ASI120MMも、2秒露光であそこまでの画像が出てきたのにも驚きましたが。
CMOSセンサーは競争が早いですから、技術革新が凄いですね。ちなみにASI224MCは、α7Sと同じ技術で高感度化を実現しているようです。いくつか犠牲にしているスペックもあるのですが、まったくそれを感じませんね。
私の期待は、有機膜のイメージセンサーです。実現すれば、アマチュアでも天体の赤外撮影が可能になるかもしれません。実現してくれるといいのですが。