2015年6月21日日曜日

Modify a PST (Stage0)

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以下の内容は、私の興味本位で行った改造内容について記載しています。太陽望遠鏡の改造は、
物理的な損傷以外に、身体にも大きな損傷を及ぼす恐れがあります。
また、メーカーの保証も受けられなくなります。
当然ですが、このような改造を行った結果で生じる損害については、責任は負えませのでご理解して
くださる方のみ、お読みくださるようお願い致します。
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ひょんなことからPSTを入手しました。でも、引き取り先の都合で行き場が無くなってしまい、ヤフオク行きを検討していました。でも心の中で「YOU、あれをやってみるよい機会ではないか・・・」と悪魔の声が。
で、やってしまいました。PSTを利用した、改造太陽望遠鏡です。実は海外では割と製作例があります。一般的な方法は、Stage1およびStage2と呼ばれていて、どちらもPSTのエタロンを利用して、口径をアップさせた望遠鏡を製作します。今回は、その予備段階として私が勝手に名づけたStage0改造について書いてみます。さらに、現在部品を手配しているので、最終的にはStage2へのステップアップを計画しています。
ちなみに、上の画像は改造PSTで撮影した全球面の画像です。1/2.8”のCCDでぎりぎり撮影できました。拡大レンズを未使用でもピントが出るので、撮影が楽になりました。モザイク合成の必要がないので、多少のムラがあっても、あまり気になりません。
では、工作時間です。 ※ 簡単ですよ
 材料
   ① PST太陽望遠鏡
   ② ウイリアムオプティクス製 フォーカサー
   ③ M52 UV/IRカットフィルター ※ 今回はLPS-P2を使用
   ④ ブロックフィルター ※ 今回はCoronadoのBF-10を使用
   ⑤ 延長筒 ※ バックフォーカスの調整用

  完成見本

まず、PSTの鏡筒をフォーカスブロックから外します。ネジを緩めるだけなのですが、機種によっては接着剤等で固定されているものがあるらしいです。私の個体は、ちょっと力を入れたら簡単に緩みました。筒の根元にある黒いハウジング内に、エタロンが収納されています。

外れたら、それをファーカサーにねじ込みます。ネジのサイズは不明ですが、フォーカサー側は2"のシュミカセネジで、これにきちんと勘合しました。

筒の先端に、UV/IRカットフィルターをセットします。M52サイズが装着できます。このフィルターは必ず透過特性を確認してください。UVやIR側に漏れがあると、目にダメージを与える可能性があります。今回の改造で、もっとも注意しなければならない点です。なお、今回はテストが目的なので手元にあったLPS-P2の光害カットフィルターを使用しました。当然Hαは透過域なので機能的に問題ありません。
また、構造上で注意するのは、フィルターを傾けることです。安全上は、きっかりネジを締める必要があるのですが、それだと視野内にゴーストが発生して太陽イメージと重なります。ここは工作者の工夫が必要な所なのですが、私は単純にゆるゆるに取りつけただけでした。結果、ゴーストは太陽から離れた位置に見えました。 ※ 安全上は問題あります。まねしないように。

接眼部には、CORONADOのBF-10を装着しました。接眼部で注意する点は、エタロンとBF-10の胴元までの距離です。先のエタロンのブロックには、コリメータレンズと再結像レンズが組みこれています。これは、エタロンへの光束をできるだけ平行光にするためです。その後に挿入されている再結像レンズはf=200mmで設計されているようなので、この距離を確保する必要があります。なお、BF-10の光路長を除くと、エタロン後方からBF-10までの距離は、下記のようになりました。
  ・ 接眼レンズ使用時:約145mm
  ・ 直焦点撮影時:約135mm
この距離と差を確保・調整できる構造が必要です。

これで完成です。
最大の問題点は、BF-10を使っていることでしょうか?PSTを買って、さらにこれを買うぐらいなら、最初からHαフィルター+BF-10でセット購入すればよいだけのことなので。
今回の改造は、あくまでもこの先に進めるためのデータを取るのが目的なので、ご勘弁を。
なお、工作が得意な方はBF-10ではなく、外したフィルターボックスに装着されているBF-5を利用するのが良いと思います。そうすれば、正真正銘のPST改造望遠鏡に仕上がります。

ではでは、次回の改造報告は7月中旬ごろになるでしょうか? 

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

凄いアイデアですね。大いに参考になるアイデアの紹介に感謝です。
注意書きや記載内容をしっかり理解して、改造するか否かを検討してみます。

@hasyama さんのコメント...

ヨネヤンさんへ
曖昧な所は残っていますが、口径アップの一つの方法としては面白いと思い試してみました。
工作好きのヨネヤンさんには向いているかもしれませんね。でも、リスクがある改造なので
実行する場合は、慎重にお願い致します。