2017年3月7日火曜日

月面Xとの南部高地の一角

人生初の月面Xです。まぁ興味が無いわけではなかったのですが、位相的に仕事が無い日でないと撮影できないので今まで見ることはありませんでした。この日は全天薄曇りで、モニタ越しの月も霞んで見えました。時間が早いせいか、「月面X」というより「月面火」みたいになっていますが、結局「X」になる前に雲が厚くなり、撮影をあきらめました。この日、残念だったのは、シーイングが良かったことです。雲の来襲で安定撮影が難しく、光量不足でハイゲイン、低フレームレートと撮影条件は最低で、全体的に霞がかかった眠たい画像でした。それでも、シーイングの恩恵で、月面南部のマウロリクス、シュテフラー周辺の画像は、そこそこいい感じになりました。

「月面X」
2017/3/5 19:11.8 (JST) 60sec
DK125(318mm, f=6350mm, F:20, Dall-Kirkham), ASI178MM
Gain 325, Shutter=44.8ms, 30% stack, AS2, ImPPG, PS

「マウロリクス、シュテフラー」
2017/3/5 18:34.3 (JST) 60sec
DK125(318mm, f=6350mm, F:20, Dall-Kirkham), ASI178MM
Gain 321, Shutter=34.4ms, 30% stack, AS2, ImPPG, PS


2017年2月28日火曜日

2月25/26の太陽

週末は天気が良かったので、久々に太陽を撮影しました。上の画像は、25日に見えていたやや大きめのプロミネンスです。西の端に見えていました。150mm(F10)での直焦点です。いつもは拡大レンズを入れるのですが、こいつはそこそこ大きかったので、直焦点で撮影しています。撮影開始直後はひどいシーイングでしたが、30分ほどするとやや改善され、10秒詳細20秒ボケボケみたいな状態に。その10秒詳細な画像だけで処理すると、いい感じに仕上がりました。

2017/2/25 AM10:18:20 (JST) + 20sec
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI178MM(B/W), Prime focus
Exp. 20msec, Gain 120

そしておまけの全球画像です。26日にPSTをDSにして撮影しました。三脚固定のガイドは無しという、超手抜き撮影です。視野の端から端ぎりぎりまでが、露出時間でした。※30秒くらい  ムラの影響だかなんだか不明ですが、AS2がきちんと追従してくれないので、PIPP使ったりEdgeでアライメントしたりと、後処理が大変でした。次回はきちんとガイドします。(*´ω`*)

2017/02/26-12:24:53 + 30sec
PST-DS, ASI178MM, 40% stack
EXP 17msec, Gain 40

2017年2月11日土曜日

2月4日 金星画像の再処理

前回アップした金星画像も含め、2012年の画像と比較すると、いまいち雲っぽくないのが気になっていました。※当時の処理方法も忘れているし・・・(-_-;)  そんな時、デジ天の金星にHDR処理した画像があったので、これはお試しだと、NIKのHDR処理を実施したところ、見事にビンゴ。金星の雲っぽいが様子が浮かび上がりました。こういう絵がほしかった。ヽ(^。^)ノ 1月に撮影した画像も再処理してみます。しかし惑星の画像処理って、さじ加減一つでこうも変化しますから胡散臭いですね。

2017年2月5日日曜日

2月3/4日の木星と金星

 仕事が忙しくて週末撮影が基本になっています。今週末は、彗星撮影に出向こうかと思ったのですが、結局めげて、いつもの如く惑星撮影となります。でも木星は相変わらずいい絵が撮れません。今回もGRSが正面に見えるの位相でしたが、シーイングの影響でけっこう揺れていて、18minのDe-Roationも、ここまで模様を出すのが精一杯でした。
その点金星は、かなり強めの処理をすると何某かの模様が出てくるのですが、実際の雲の様子が分からないので、相関のある模様なのか判断できません。あかつきが、もうちょっと画像を公開してくれると、助かるんですが・・・(;^ω^)


2017年1月17日火曜日

金星・月・太陽 2016.12~2017.1

いい加減なタイトルで申し訳ない。仕事が忙しくなってきたのでブログの更新をサボっていたのですが、画像も溜まってきたのでまとめてアップします。 まずは、金星。1月7日の撮影ですが、16:00過ぎに数フレームだけシーイングが良いタイミングに遭遇し、そこそこ模様が写りました。今回の成果は、近赤外(685nm~)の画像に模様が浮き出たことです。初めての経験です。UVとIRの模様の位置を比較すると、あまり相関が無いような・・・。観察している雲の高さが違うのかもしれません。
 UV:  2017/1/7 16:30.24 (+180sec) UVenus Filter(Astorodon製)
 NIR: 2017/1/7 16:33.42 (+120sec) IR-Pass Filter (Baader製)


次は、その日の午前中に撮影したプロミネンスです。シーイングの変動が激しかったのですが、動画撮影目的で1時間も撮影していたので、時々質のよい画像が得られました。太陽は極小期に迎えつつあるのでこの日も無黒点なので、撮影対象は主にプロミネンスになります。
動画は、30秒ごとに撮影した約120フレームから作成しました。中心付近の柱から上昇したガスが、左手前に落下していくように見えます。見た目は壁のように見えますが、たぶん手前から奥へと伸びているような構造だと考えています。 ※ 根拠はありませんが (*´з`)

おまけは、クラビウスクレータです。昨年の12月18日撮影です。

次回は、2月更新かな・・・(-_-;)

2016年12月24日土曜日

12月24日(JST) 東縁に見えていたプロミネンス


相変わらずシーイングが良くなく、悶々と撮影しています。太陽は無黒点となり活動は低調ですが、今朝は東縁にやや大きめのプロミネンスを見ることができました。ただし、大きさの割に淡い領域が広めで、PSTでは輝度の明るい箇所しか認識できませんでした。でも、150mmで見ると予想以上に広がっているのが確認でき、しばし鑑賞。今朝は休みということもあり、解像度は良くないのですが、52分間分のデータを動画にしてみます。ただし、思ったより変化がなく、苦労した割に動きが寂しいのが、ちょっと残念です。
(*^^)v

2016/12/24 AM10:42 (JST) + 10sec x 52pics (at 50sec interval)
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI290MM(B/W), Kasai 1.5x

 ※ 12/14 画像追加 動画用で撮影した中で、もっとも画質が良いものを処理しました 
   AM11:31撮影 10sec


2016年12月19日月曜日

ImPPG(Image Post-Processor)のご紹介

ピコ太郎のPPAPみたいなネーミングのアプリをご紹介いたします。
 ImPPG  http://greatattractor.github.io/imppg/index.html
 Tutorial  http://greatattractor.github.io/imppg/tutorial/tutorial_en.html

 Filip Szczerekさんが製作したImPPGと呼ばれるアプリはフリーのツールで、下記の機能があります。
 ・ Deconvolution処理(Lucy-Rechardosn)
 ・ Unsharp Masking処理
 ・ レベル調整、ガンマ設定
 ・ 上記パラメータを複数の画像に適応させる、バッチ処理

基本はこれだけですが、使い勝手が良く、ROIで範囲を絞ればパラメータの変更に画像がダイレクト反応するので、微調整がし易い点が評価できます。開発のコンセプトは太陽のHα画像を処理するためのようで、チュートリアルもHα画像で説明しています。とにかく操作が簡単なので、最近の月・太陽・惑星の一部はこのアプリで処理することが多いです。
 ・ フリーのアプリでDeconvolutionができる点がよい。
 ・ パラメータ用のスライダーが3つあるだけなので、使い方にさほど悩まない
 ・ スライダーの動きにレスポンスよく画像が反応する。 ※ROIで範囲を絞っている場合
 ・ シーイングの悪い日の惑星については、模様の抽出がRegistaxより簡単?
 ・ シーイングの良い日の惑星については、Registaxの方が効果がある?   

ただし、RegistaxのWavlet処理より性能が良いわけではありません。昨年のシーイングが良い日の木星画像を試してみましたが、Registaxで処理した画像の方が解像度はよかったです。処理して気になったのは、鮮鋭化の過程でなんらかのノイズ低減処理が行われている感触があります。Registaxと比較するとノイズにより荒れが少なく、これが良くも悪くも結果に影響しているのかもしれません。

なお、どのタイミングでこのアプリを使用するかですが、私はスタック後の画像をこのアプリで処理しています。その場合、Registaxは使用しません。また処理後に、ステライメージで画像復元処理を追加する時もあります。 ※ 月・太陽の場合は、そのままPS行きですが・・・

ご参考までに( ^ω^)・・・

2016年11月26日土曜日

11月26日の太陽です

最近は木星優先の撮影をしていたので、平日の太陽撮影がほぼ無し。休日に晴れればいいのですが、これまた天候不順を理由にズルズルと・・・でしたが、今週末は久々に晴天に恵まれたので、朝から木星+太陽撮影と全開でした。ただし、木星は明け方に湧いてきた雲の襲来で、ほとんどまとまなフレームが稼げず残念な日となりました。
太陽は活動の衰退期に移行しつつあり、ここ最近は無黒点かあってもゴマ粒のようなものばかりでしたが、今朝は東に気持ち大きめの2612群が見えていました。黒点脇の活動域が印象的です。
また、大きくはないのですが、プロミネンスがいくつか見えていました。
話変わって、150mmのHα鏡筒はよくよく調べてみると光軸がずれずれでした。先端のカバーを外すと光軸調整用の押し引きネジが見えたので、ちょっと回してみると6本ともユルユル。こりゃ光軸は合わないわけだな。流石、アメリカン。ネットで屈折望遠鏡の光軸調整方法を調べて、格闘すること1時間(ぐらい)。それっぽいところまでいきました。この日の撮影は、そのテストも兼ねています。しばらく継続してみないとなんとも言えませんが、前より酷くなっていることはなさそうです。

2602黒点群周辺
2016/11/26 AM7:56:15(JST) + 30sec
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha 
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI290MM(B/W), Televue Coronado CEMAX 2x


2016年11月8日火曜日

11月6日(JST)の木星

最近は、けっこう早起きして撮影しているのですが、以外と雲が多くて外れが多いです。そんな中、直近の撮影では、この日が一番まともでした。なんだ半ボケ? と思うかもしれませんが、最近は模様が出てきただけラッキーと思うようになりました。それほど状況が悪いです。ちなみに、今朝は珍しく朝方まで天気が保ったのですが、シーイングは相変わらず酷い状況でした。もろん低空なので気流によるシーイングの影響が大きいのですが、それ以外の要素として、鉄塔の影響が大きいようです。我が家の東南東には送電用の鉄塔があるのですが、ちょうどこの時間帯に、木星がその中を通過していきます。鉄塔なのでスカスカなのですが、それでも気流の乱れや口径食などを引き起こしますから、無いのにこしたことはないのですが。この傾向はしばらく続き、その次の難関が隣家のアマチュア無線用のアンテナ! これはもう目の前。11月後半ぐらいから影響が出そうです。視界が良くなったとは言え、そこは東京。惑星見るのも簡単ではないです。(^_^)v

2016年10月27日木曜日

10月27日(JST)の木星

自宅から、東の低空を撮影できるようになりました。ようやく合過ぎの早番の木星を撮影できるようになりました。ただ高度が低い上に、気圧の谷が通過した直後だったので気流は最悪に近く、当初は、撮影を止めようかと思ったぐらいです。高度が20度を超える6時近くになって、やや改善してきたようで、2本縞がなんとなく見えるぐらいの画像が得られました。




2016年9月28日水曜日

10月15日の太陽(JST)

今朝は雲一つ無い青空の中、気持ちよく撮影できました。撮影時間はたっぷりあったので、約2時間300GBも撮影しました。でも思ったよりシーイングが悪く、日が高くなるにつれどんどん悪化していきました。2時間以上も撮影していましたがどれもこれもいまいちで、結局画像として使えたのは最初の30分くらいです。やはり基本は早起きですね。(;^ω^) そのままだとやや半ボケなので、ちょっと半端ですがモザイクで全体的に縮小表示しています。

2602黒点群周辺
2016/10/15 AM7:56:15(JST) + 30sec , x 5pics
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha 
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI290MM(B/W), Televue PowerMate 2.5x


9月27日の太陽(JST)

この黒点は2597群です。小粒の黒点ですが、近くのダークフィラメントが濃かったので、段々モザイクしてみました。日曜日よりかは、シーイングが良かったようですね。この画像含めて、相変わらずPST改造器で撮影したいます。とにかく電源不要。チルトで簡単に調整できるところも、とっても気に入っています。でもムラがかなり酷いですが・・・。 週末晴れれば、この筒でDaystarを試してみたいと思います。 どんな絵面になるのかが、楽しみです・・・(*^_^*)

2016/09/27 AM08:11:24(JST) + 30sec x 3pics
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI290MM(B/W), Televue PowerMate x2.5

2016年9月26日月曜日

9月25日の太陽(JST)

久々の晴れまでした。日曜日と重なった上、やる気も上昇中なので午前中いっぱいねばりました。結果、シーイングはあまり良くはありませんでしたが、雲間から撮影できました。黒点は2597群で、最近発生したものです。Cクラス程度のフレアー活動をしているようです。下の画像は、太陽の北東縁に見えるやや大きめのプロミネンスです。26日にも形状を維持しているようで、明日晴れれば、撮影してみようかと思っています。久々にお天道様を拝めることができて、気分の良く休日を過ごすことができました。

2016/09/25 AM11:05:57(JST) + 30sec(上)
                   AM10:49:40(JST) + 30sec(下)
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI290MM(B/W), Coronado x2 Barlow


2016年9月5日月曜日

9月6日の太陽(JST)

ちょっと古くなってしまいましたが、6日の太陽面です。この日はほぼ正面に見えてた2585群も、これを書いている現在、すでに西に沈んでしまいました。太陽面には、小さい黒点が二つほど見えているだけです。私自身は、ようやくやる気スイッチが入り、色々と試してみたいという気分になったのですが、あいにくと天気が悪くなかなか思うようにはなりません。

2016/09/06 AM08:04:13(JST) + 30sec
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha 
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI290MM(B/W), Kasai x1.5 Barlow

雨で暇なので、画像処理をやり直しました。柔らか処理です。 2016/9/24



9月5日の太陽(JST)

久々、出勤前に頑張りました。('◇')ゞ
相も変わらず、PSTエタロンの模索中です。シーイングは前回よりも良かったのか、バローを使用してもなんとか絵になりました。なので、今回の画像はかなり強めの処理をしています。多少荒っぽいところが残っているのですが、私の脳内イメージにちょっと近づいたかも。でも、もっと川の流れのようなイメージにしたいのですが・・・

2016/09/05 AM07:20:39(JST) + 30sec
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha 
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF15
ASI290MM(B/W), Kasai 1.5x Barlow

プロミネンス画像を追加(9/5 7:45:15 + 20sec) 

2016年9月2日金曜日

9月2日(JST)の太陽


久々に自宅でHαを撮影しました。シーイングもそこそこなので、ずーっと放置していた新機材をようやくテストすることができました。
口径15cmHα用アクロマート鏡筒です。一般のアクロマートの設計波長とは異なり、Hα線を基準に設計されているようです。まあどれだけ効果があるのかは不明ですが、とりあえず画像が見るに堪えない・・・てなことにはならなかったのでホッとしています。私のことなので、ぼちぼちペースで素行調査をしていくことになるでしょうか。
今回の画像は、この筒をベースに、以前作成したPSTのエタロンを使ったStage2改造仕様です。前回のBorg125SD(口径絞り75mm)で構成した時よりムラが大きく、端の方はまったく使いものになりません。エタロンの配置がよくなかったのでしょうか? ちょっと気になります。
  ※ 下の画像が、ほぼ全景。上は切り出しています。

2016/09/02 AM08:10:09(JST) + 30sec
ISTAR Optical 150mm(F10) H-Alpha 
PST Etalon (<1Å) + 150mm Yellow Filter + BF10 BF15でした(9/3訂正)
CM3-U3-13Y3(B/W)


シルバー鏡筒に見えますが、納品時は黒色でした。「太陽望遠鏡で黒はないだろ~!!」ということで、厚手のアルミ箔を購入してグルグル巻き付けました。私にしては、頑張った方です。 (^_^)v


2016年8月26日金曜日

流星の撮影について

ちょっとしつこいのですが、ペルセ群の合成画像を使ってのプチ情報を書いておきます。
今回は天気もよかったので、そこそこの流星を捕捉することができました。使用した機材はD810A(フルサイズ)+TAMRON SP15-30mm (15mm)です。この画像を元に、焦点距離を変えた場合とAPS-Cサイズで撮影した場合の画角を書き込んでみました。
まずフルサイズ+35mmの場合ですが、流星数が激減するのがわかると思います。面積比で1/4になるわけですから、当然と言えば当然ですね。ペルセでこの程度ですから、出現数の少ないオリオン群や平年のしし群だと、1~2個しか写らない可能性があります。デジイチの感度がよくなったので写りやすくはなりましたが、やはり数を稼ぐのであれば広角で20mm以下は必要なのが、よく分かると思います。APS-Cの場合は、チップサイズが小さいのでなおさらです。例えばCanonのKissのセット品レンズが18-55mmですが、18mm側に寄せて撮影しても、輻射点を入れた構図だと、かなりの流星がフレームアウトしてしまいました。APS-Cサイズで流星が降り注ぐようなイメージに仕上げたい場合は、15mm以下は必要そうですね。
流星写真は多分に運頼みなところはあるのですが、確率を少しでも上げるには、できるだけ広角側で写すことが必要なことが理解できたと思います。流星自体は小さくなってしまうのですが、2,000万画素を越える最近のカメラであれば、元画像をトリミングするだけで、十分見栄えのある画像が得られますよ。 ご参考までに・・・


2016年8月21日日曜日

前回の火球を解析してくれました


前回撮影した流星の画像以降のフレームには、お約束の流星痕が写っていました。なので、流星付近をトリミングして、痕の移動が分かりやすいようにアニメーションにしてみました。後半は淡くなるので、単発の画像を見てもほとんど分からないのですが、動画にすると大きく広がっていく様子がはっきりと分かります。途中の形状がハートに見えるので、Facebookでは、萌え流星として賑わいました。(^_^;)

さてさて本題ですが、日本流星研究会の関口様が、私の画像を含む複数の観測地点の画像を元に、この流星の軌道計算をしてくれました。発光点は福島市上空付近で、消滅点は猪苗代湖付近のようです。※かなり大雑把ですが  私の撮影地点からだと、ちょうど真横の位置でした。そのおかげで経路長も長くなり、広角レンズでも見応えのある画像になりました。「星の村」に感謝です。
また、同時に観測された流星痕の高度も計算されていて、100km->70km付近で発光しているようです。私も、学生の頃に電卓片手に計算したことがあるのですが、現在は撮影情報と画像から、瞬時に計算してくれるのでしょうね!?
関口様、情報の提供ありがとうございました。


最後に、ゴージャス感たっぷりのペルセの寄せ集めでシメです。

2016年8月16日火曜日

8/12-13 ペルセウス座流星群の火球

久々の天文活動です。ぺルセ群を見に、福島県の星の村まで遠征しました。多少の雲がウロウロとはしていましたがほぼ一晩観測でき、薄明前には写真のような火球もゲットできました。

8/12 26:36:01~26:36:16 (JST) 15sec露光
D810A, TAMRON SP15-30mm, 15mm F2.8(開放), ISO3200
 ※ トリミングしています

2016年6月8日水曜日

CCD/CMOSセンサーカメラの感度特性(2)

今回はASI290MMをベースに、ゲインとシャッター速度の関係を評価してみました。
ASI224MC・ASI290MMのどちらも、FiraCaptureで表示されるゲインの値は、0~600です。この値ですが、実測した結果は予想通りdBでした。表示÷10でそのままdBになります。つまり、設定できるゲインは、0~60.0dB(1x~1,000x)です。※ 表参照
ゲインが1000xというのも凄いですが、センサーの設定は実は72dB(4000x)まで可能です。カメラ側で実用性が無いと判断したのか、60dBで抑えられていました。もう一つ注意したいのは、ゲイン30dB以上はデジタル処理でのゲインです(ASI224MCの場合)。30dB以下の設定では、アナログアンプで増幅していますが、それ以上はアナログアンプ+デジタルゲインで処理されます。

で本題ですが、ゲインを変えながら撮影した画像が上です。本来ならシャッター速度を固定して、光量を操作しながらゲインのデータを得るのが正しいのですが、実際の惑星撮影では、対象の明るさは光学系で決まり、撮影はゲインとシャッター速度の組み合わせで行うので、同一光源下でテストしました。ゲインとシャッター速度は当然相反しますので、ゲインが高くなるにつれ高速シャッタ-を切ることになります。なお、画像は撮影データ5秒分をスタック処理しています。各画像、中央付近の四角エリアにノイズが目立つのは、そこだけUnsharp Mask処理をしているためです。見た目でも、ゲインが300を超えるあたりから、画像の荒れが目立ってくるのがわかります。撮影した画像のグレーの領域を100x100ピクセルで切り出し、Photoshopでデータのバラツキを測定したのが、下のグラフです。変曲点はゲインで400ぐらいでしょうか?それ以上になると急激にノイズ成分が増えます。この時のシャッター速度は2.7msec。今回の画像はフルサイズで撮影しているので、ASI290MMでは83FPSで頭打ちになりした。露光時間が10msec程度までは、シャッター速度に比例して取得可能フレーム数も増えますが、それより短いシャッターになると、ノイズが増えるものの取得できるフレーム数は同じになります。なので、相対的にスタック後の画像はノイズが目立つようになります。この結果から大雑把な結論を、下記にまとめておきます。

 ① ゲインは最大でも400以内、できれば350以下を目安に設定するのが良いと思われる
 ② やみくもにシャッター速度を早くしない。上記ゲインを目安に、不足分はシャッター速度を遅くして光量を稼ぐ
 ③ シャッター速度は、転送可能なフレームレートを目安にする。
      
       ※ このカーブには、ゲインとシャッター速度の両方の影響が含まれているので、ご注意を。

では、これを元に惑星を撮影した場合・・・というのが書ければよかったのですが、わけあって、現在自宅からは撮影ができません。室内で取得したアマチュアの実験結果なので、惑星撮像とはやや異なる点はあるかもしれませんが、参考になれば幸いです。!(^^)!