2013年7月2日火曜日

近赤外での惑星撮像



上 : Lの動画(30msec)、下 : 近赤外の動画(45msec)

惑星を撮影時に、シーイングが悪いとがっかりしますが、多少なりとも低減する方法として、近赤外域での撮影が挙げられます。昨晩の土星画像は、撮影時にすでに高度が低く、シーイングが良好だったものの、Lと近赤外で比較的大きな違いが見られました。L画像は、シーイングの影響に加えて、大気分散の影響もあると思います。私の場合、固定で2°のプリズムを装着しているので、高度が低くなってくると補正しきれなくなります。これに対し、近赤外は、シーイングの影響を可視光より受けにくく、さらに、この分散の影響も低減できます。木星でも効果があるので、シーイングがあと一歩という場合は試している価値があります。
ちなみに、私が使用しているフィルターはBaader製のIRパスフィルターです。
注意したいのは、カラーカメラでDFKのようなタイプはIRカットフィルターが挿入されているので、このフィルターを使うと、なにも写りません。モノクロタイプか、DBKのようにフィルター無しのカラーカメラであれば、撮影出来ます。

11 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

AVI動画の状態でシャープな写りですね。
動画段階でカッシーニの空隙が全周で確認でき、素晴らしいです。
大気の揺らぎの影響を受け難いIR画像は、一段とシャープですね。
IR撮影でもウェッジプリズムの効果はあると思います。
土星もそろそろシーズンオフ、これからの狙いは早朝の木星ですね。

ミュートン さんのコメント...

このフィルターは優れものですね
使用状態の土星がカッシーニの隙間が明瞭に
なっているのが分かります

土星の動画は、ほぼ取り込み状態での
動画でしょうか

PC画面に映っている状態で 凄い写りしているのですね

私も早速注文します。

@hasyama さんのコメント...

ヨネヤンさんへ
ウエッジプリズムは、近赤外でも効果があります。このシステムでは、可視光の赤と緑で17μmぐらいズレますが、近赤外域では約半分でした。ピクセル数で2画素強です。2°のプリズムでさらに2/3くらいになるので、ほとんど影響はなくなります。ただ、RB星さんにも指摘されましたが、Lはさすがにプリズムのパワーを上げないとダメそうですね。やや惰性気味に撮影していたことに反省している、今日この頃です。

@hasyama さんのコメント...

ミュートンさんへ
土星の画像は、撮影時のものです。時間も、ほぼ同時刻のものです。Lがややぼけていますが、シーイングの影響かと思いましたが、RB星さんのご指摘ではたと思ったのですが、ウエッジプリズムの偏角が不足しているのに気付きました。赤~青の範囲で、最大30μmズレます。
画素で7~8画素に相当するので、その影響はあったと思います。アドバイスしておきながら自分がこれですから、ダメですね。
まぁそれはそれとして、IRパスは保険代わりに持っていて損はないと思います。無茶苦茶高いものでもないので。惑星・月・太陽の黒点撮影にも使用できますよ。

ひろぽん さんのコメント...

はじめまして。

いつも美しい写真をため息をつきな
がら拝見しております。

土星すごくシャープな動画ですね。
元がこれだけ良いと出来上がりの
先鋭さも納得です。

また、IRパスフィルターの効果って
こんなにハッキリ出るものなんです
ね。さっそく注文してみました(笑)。

木星にも効果ありとのことですので
今後も楽しみです。

ER34 さんのコメント...

こんばんは。ウエッジプリズムを使用されているのですね。また、こちらの記事の動画で、IRパスフィルターの効果が良く分かりました。中古のFlea(XGAカラー版)は元々ガイドカメラにと購入したものですが、感度向上のためと、将来IRパスフィルターを使った月・惑星撮影のために、IRカットフィルターの除去作業をしておこうと思います。情報、ありがとうございました。
昨年から今年の、星雲・星団写真を拝見しました。いずれも解像感があり、淡い部分まで写っていて、すばらしいと思います。今現在、私にこれほどの写真を撮る技術はありません、本当にすばらしいです。また、雪の季節でも暗い場所に遠征される行動力に、感服いたしました。チャンスがあれば、マメに撮影する、ということが如何に重要か、ということを最近身にしみて感じています。
一点、初心者の域を出ない私が申し上げるのは誠に恐縮なのですが、遠征時は光害カットフィルターを試しにはずして撮影されてみてはいかがでしょうか。失礼ながら全体として微光星が赤くシフトしているように見えます。特に4月16日のパンスターズ彗星は、記事には記載されていないようですが、フィルターを使用されたのではと思います。PixinsightのDBEなど背景かぶり除去処理をマスターされているようですので、若干の光害があっても、画像処理である程度改善可能かと思います。急いで拝読させていただきましたので、見落としや勘違いがありましたら、ご容赦ください。

@hasyama さんのコメント...

ひろぽんさんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
庭先から撮影しているので、惑星・太陽・たまに月ぐらいしか載せられませんが、お暇なときは、また遊びに来てください。
ひろぽんさんのブログを拝見させていただきましたが、私と似たようなご趣味?のようですね。直近の土星も素晴らしいですね。また、太陽の処理方法も参考になりました。私は、全球面の撮影を滅多にしないのですが、今度この方法で試してみようかと思います。

@hasyama さんのコメント...

ER34さんへ
遠征時の画像にコメント頂きありがとうございます。
冬場にちょこっと始めた、てきとう星雲・星団撮影ですが、この前参加したCANP'13のベテランさんの気迫に、圧倒されてしまいました。この先は長いな!と実感している今日この頃です。
さて、ご指摘のあったパンスターズ彗星ですが、たぶんですが公害カットフィルターは使用していなかったと思います。短時間露出が基本なので外しました。星が赤っぽいのは、処理の影響もありますが、使用したEF200mmが、開放で撮影すると赤ハロが出ることに起因しているのかもしれません。元画像には、結構派手に出ていて、F4以下まで絞らないとなくならないと、他の方のブログに書いてありました。赤ハロ除去、またはスターシャープ時に、この部分が影響したのかもしれません。星雲写真全般ですが、星を綺麗に見せつつ、星雲の処理をするのがいかに難しいかを実感しています。
夏場は、シーイングが良くなることから、遠征に行くか悩んでいるのですが、撮影したらアップしますので、アドバイスをお願い致します。

ER34 さんのコメント...

hasyamaさん、こんばんは。
パンスターズ彗星(他)の写真の件、大変失礼致しました。赤色はレンズの特性だったのですね。
CANP'13に参加されたのですか!私もしっかり経験を積んで、いつの日かそういったイベントに参加できるようになれたらと思いますが、現実にはなかなか難しそうです。
Fleaは昨晩のうちに、IRCフィルタを除去しました。接着剤でしっかり固定してあったので、はずす際に残念ながら割れてしまいましたが、何らかの理由でフィルタが必要になった時は、手持ちのバーダーUV/IRカットフィルタ(31.7mm)を装着すれば良いかと考えています。
こちらこそ、ご意見・アドバイスなどありましたら、よろしくお願いいたします。

ミュートン さんのコメント...

hasyamaさん、こんにちは。

食指が動きそうなカメラが出ました
セレストロンとイメージングソース社
共同開発のカメラですが
どうでしょうか
http://www.syumitto.jp/SHOP/CE95513.html

@hasyama さんのコメント...

ミュートンさんへ
セレストロンのカメラですが、OPTから予約開始メールが届いて知りました。UTOさんがICX445のカメラをおすすめしていましたが、私もこれをおすすめします。私の入選作品の大半も、ICX445のチップを載せたカメラで撮影しました。ただ、ASI120MMとは、あまり差がない可能性があります。私のテスト時のカメラも、チップはICX445でした。大きな違いは、シャッターがグローバルシャッターなのと、I/FがUSB3.0ということでしょうか?
月・太陽なら、ICX274を載せたものも良いと思います。チップサイズが大きいので、撮像範囲を広く取れます。
色々なカメラが出てきて、いい傾向ですね。